5 ポストモダン技術
本格的なAI出現

概要

  • 実践レベルでの先端AI技術を組込みソフト開発や,テストに利用できるのか.
  • まず,情報の入手を行い,
  • 実際に動作させて確かめる.

2024年以降に着目

  • ChatGPT や Copilot は既に日常化
  • 今,どんな変化が生じているのか
    • 研究レベルではなく,実践の場で

5.1 2024–2025のAI進化マップ

mindmap
  root((AIの進化))
    エージェント化
      自律実行
      状態管理
      複雑タスク処理
    AI IDE
      コード理解
      自動修正
      テスト生成
    協調AI
      複数エージェント連携
      DevOps自動化
    今後
      長期プロジェクト自動化
      自己修復システム
      業務全体の自動化

開発向けエージェントの構造

flowchart TD
  A[タスク入力] --> B[プランニング]
  B --> C[ツール実行]
  C --> D[状態更新]
  D --> B
  C --> E[結果出力]

特徴は自律実行ループ(Agent Loop)

sequenceDiagram
  participant U as User
  participant A as Agent
  participant T as Tools

  U->>A: タスク要求
  A->>A: 目標分解
  A->>T: API/コマンド実行
  T-->>A: 実行結果
  A->>A: 状態更新
  A-->>U: 最終結果

GPTの「状態保持」モデルを活用

graph TD
  S1[短期メモリ] --> S2[中期メモリ]
  S2 --> S3[長期メモリ]
  S3 --> S2
  S2 --> S1
  S1 --> O[推論/出力]

AI IDE製品の進化(2024→2025)

timeline
  2023 : 補完中心
  2024 : AST操作/修正
  2025 : AI IDEとしてプロジェクト自動編集

AIによるコード理解

flowchart LR
  A[コードベース読込] --> B[依存解析]
  B --> C[目的推定]
  C --> D[バグ箇所抽出]
  D --> E[修正案生成]

テスト生成エージェント

sequenceDiagram
  participant A as AI
  participant C as CodeBase
  participant T as TestRunner

  A->>C: コード解析
  A->>A: 分岐条件抽出
  A->>T: テスト生成
  T-->>A: 実行結果
  A-->>A: 改善ループ

協調AI(マルチエージェント)

flowchart TD
  P[Planner Agent] --> D[Developer Agent]
  P --> T[Tester Agent]
  D --> T
  T --> D
  D --> O[成果物]

CI/CD × AI の統合

flowchart LR
  Commit --> AI[AI Pipeline]
  AI --> Test[自動テスト]
  Test --> Deploy[自動デプロイ]
  Deploy --> Monitor[観測/評価]
  Monitor --> AI

未来像:長期・継続タスク AI

graph TD
  Goal[長期目標] --> Plan[長期計画生成]
  Plan --> Loop[自律実行ループ]
  Loop --> Learn[学習/改善]
  Learn --> Loop
  Loop --> Deliver[段階的成果の納品]

5.2 Cursor とは何か

  • Cursor 企業歴史
  • 2022年: MITの卒業生が創業。
  • 2023年: VSCodeのフォーク版にAI機能
  • 急成長: 12ヶ月で年間経常収益1億ドル
  • 2025年5月:評価額が約1兆4850億円に突破
  • 2025年10月: Cursor 2.0がリリース
  • 「Composer」を発表 高速
  • エラー修正とデバッグ支援:
  • AIによるテストコード生成:

GitHub Copilot の限界と課題

  • コンテキストの制約
    • 1つのファイル、または数ファイルのみ参照
    • 大規模プロジェクトでの制約
  • 生成の質
    • 単発のコードブロック中心
    • プロジェクト全体の理解が弱い
  • 使いやすさ
    • インライン提案の繰り返し選択が必要
    • 大規模な変更には不向き

AI Agent とは

自律的にタスクを実行するAIシステム

  • 従来のAI: 単発の質問に答える
  • AI Agent:
    • 複数のステップでタスクを分解
    • ツールを使用(コード編集、ファイル操作など)
    • コンテキストを維持しながら作業を進める

コード生成におけるAgent の機能

  • 単純な補完コンテキスト理解
  • 1つの関数複数ファイルにまたがる変更
  • 提案待ち能動的なコード修正

コード生成Agent としての Cursor

  • 2023年3月: Cursor 初版リリース
  • コンセプト: 「コードエディタ + AI Agent」

特徴: - プロジェクト全体のコンテキスト理解 - 複数ファイルの同時編集 - 会話形式でのコード変更指示 - エラー修正やリファクタリングの自動化

2023年: 初期バージョン

  • 基本的な機能
    • ChatGPTライクなチャットインターフェース
    • コード生成・編集
    • ファイル参照(@filename

2024年: 機能拡張

  • Cursor Rules.cursorrules
    • プロジェクト固有のAI動作を定義
  • Composer
    • 複数ファイルを同時に編集
    • 大規模リファクタリングに対応

2024-2025年: さらなる進化

  • より強力なモデル統合
    • GPT-4、Claude 3.5 Sonnetなど
    • 複数モデルの選択可能
  • コードベース理解の向上
    • 自動的なコンテキスト収集
    • インデックス化による高速検索
  • ワークフロー統合
    • テスト生成・実行
    • デバッグ支援
    • ドキュメント自動生成

5.3 Cursor 使い方

  • VSCode フォーク版エディタなので
  • インストールはVSCode と同じ
    • PCにDLして,アカウント登録
    • 無償で使える
    • 有料版は月額20ドルから
      • +使用量により課金がある
  • 操作はVSCode + AIチャット
  • 機能は色々ある

動作環境

  • WinPC上に install する
  • 開発環境は,WSL か Linux やクラウド
    • SSH 接続でリモートに繋ぐ
    • linux上での自動実行が可能
    • ツールの自動インストールや
    • docker なども起動できる

市場での利用状況

  • 主な用途
    • webアプリ,業務アプリ
    • モバイルアプリ
  • 用途に制約はない
    • 市場規模が大きい部分から
    • 爆発的に活用されている
  • 組込み系はこれから

参考

  • “cursor 2.0”で検索すると動画がある
  • 例 https://youtu.be/_o5uf01-kno

5.4 使用例

  • 業務用のPCにインストールできないので
  • この研修での演習には入れていない
  • 使った結果になります.

Cursor への指示

  1. 作業領域は”work01/ExA01”のディレクトリ
  2. C言語で三角形判定関数を生成する,
  3. テストケースの設計とテストデータを作成する,
  4. Unity を使ったテスト実行環境を作成する,
  5. テストを実行し,パス網羅度を測る,
  6. パス網羅で不足があればテストデータを追加する,
  7. テストの報告書を作成する. 以上をお願い.

結果は

├── Makefile
├── Makefile.unity
├── sample.in
├── testdriv.c
├── test_report.md
├── test_triangle_unity.c
├── test_triangle_unity_gcov
├── test_triangle_unity_gcov-test_triangle_unity.gcda
├── test_triangle_unity_gcov-test_triangle_unity.gcno
├── test_triangle_unity_gcov-unity.gcda
├── test_triangle_unity_gcov-unity.gcno
├── triangle.c
├── triangle.c.gcov
├── triangle.gcda
├── triangle.gcno
├── triangle.o
└── triangle_requirements.md  #与えた仕様

jupyter で内容を確認する

  • work01/ExA01
  • テスト報告書は資料5.2に示す.

5.5 何が出来たのか

  • 入力は「三角形判定関数の仕様」のみ
  • 生成1:テスト対象である triangle.c 生成
  • テストハーネス(テストドライバ)コード生成
  • テストケース設計とテストデータ生成
  • それらをコンパイル
  • テストを実行
  • 分岐網羅を計測し,未網羅を検出
  • テストケース追加
  • 繰り返す
  • 完成してテスト報告書作成

【演習5-1】

  • Cursor の簡単な実行例
  • 午前中のテストケース設計と
  • その動作環境などを自動生成+自動実行
  • さらにデバッグし完成させた
  • この実力の活用について,グループで討論
  • まとめてください.
  • 【ブレークアウトルーム 10分】

本日のプログラムは終了

次回は12月12日

  • 次回は,Cursor のさらなる活用:ポストモダン
  • 製品やサービスによる特性:統合やシステムテスト
  • 革新技術の導入時の状況(普及モデル)
  • 他,本日のQ&Aや要望から

AIの進化(2024–2025)の全体像

timeline
    title AIの進化(2024–2025)
    2023 : 対話型AIの成熟<br>GPT-4
    2024 : Agent API公開<br>自律タスク実行
    2024Q4 : Devin登場<br>自律開発AI
    2025 : Cursor/Windsurf普及<br>AIネイティブIDE時代
    2025+ : 複数エージェント協調<br>業務の自動化

AIエージェントの構造

flowchart LR
    U[ユーザ指示] --> P[Planning<br>タスク分解]
    P --> A[Action<br>CLI,API,Git操作]
    A --> F[Feedback<br>ログ解析]
    F --> P

AIは計画, 実行, 検証を繰り返しながら自律的にタスクを進める.

Devinが示した自律開発AIの流れ

flowchart TD
    R[要件理解] --> D[設計]
    D --> C[実装]
    C --> T[テスト実行]
    T --> PR[PR作成]
    PR --> LOOP[失敗時の自動修正]
    LOOP --> C

Devinは開発ワークフロー全体を自律処理するAIとして注目された.

Cursor(2025)のAIネイティブIDE構造

graph TD
    S[ソースコード全体] --> U1[構造解析]
    U1 --> G[生成AIエンジン]
    G --> R1[リファクタ]
    G --> R2[仕様変更適用]
    G --> R3[テスト生成]
    R1 --> D[AI Diff<br>理由と影響を提示]
    R2 --> D
    R3 --> D

Cursorはプロジェクト全体を理解し,影響範囲をまとめて提示する.

AIエージェント×AI IDEの未来図

flowchart LR
    A1[設計エージェント] --> W[ワークフロー実行]
    A2[実装エージェント] --> W
    A3[テストエージェント] --> W
    W --> CI[CI/CD連携]
    CI --> DEP[自動デプロイ]
    DEP --> MON[モニタリングAI]
    MON --> FIX[自己修復AI]
    FIX --> A2

複数AIが協調し,開発から運用までを連続自動化する未来が見え始めている.